SOKA SKY LANTAN※草加市初開催

SOKA SKY LANTAN
草加市初開催・自主企画 ― 「昼間は出にくい人」のための夜空に灯した優しい光
「不登校や引きこもり、日中出にくい人へのイベントはできないか」
草加市で初開催となった「SOKA SKY LANTAN」。この幻想的なイベントは、地域から寄せられたそんな切実な困り事から始まりました。
多くのイベントや地域のお祭りは、明るい昼間に開催されます。しかし、学校に行きづらい状況にある方、家から出ることが難しい方、人混みや明るい場所が苦手な方にとって、昼間の賑やかな場所に出向くことは想像以上に心理的なハードルが高いものです。
それならば、暗闇がそっと包み込んでくれる「夜」を舞台にしてみよう。**どうせやるなら、子どものフリマや商店街の人たちと一緒にやろう。**そんな想いから、この自主企画は動き出しました。
まさかの雨、そして奇跡的な晴れ間
当日はまさかの雨スタート。開催前から「大丈夫かな…」という不安が運営陣の間に広がりましたが、いざランタンを夜空に放つその瞬間になると、奇跡的に雨がピタリと止みました。
雨上がりの澄んだ空気の中、一つひとつのランタンがふわりと灯り、静かに夜空へ舞い上がっていく。その美しい瞬間を、会場に集まった色んなみんなが同じ空を見上げて共有していました。言葉がなくても、立場が違っても、その光の前ではみんなが同じ表情をしていました。素敵で優しい時間が、確かにそこにありました。
夜イベントだからこそ届いた新しい参加者層
夜のイベントには、昼間のイベントとは全く違う特性があります。
- 人目が気になりにくい
- 暗さが感覚的な刺激を和らげてくれる
- 「夜だから」という特別感が外出のハードルを下げる
この特性が、今までとは違った形の集客を実現しました。不登校や引きこもりの方、日中は外に出にくい方、人混みが苦手な方。「夜だから来られた」という方々が、確かにそこにいました。200回以上イベントをやってきた経験の中でも、これまでにない参加者層との出会いがありました。
100名を超える手帳所持者が集まった夜
より多くの方に参加していただきたいという想いから、ランタンの購入価格を高齢者と障がい者手帳を持つ人は下げて、参加しやすいように設定しました。
その結果、100名を超える手帳所持の方々が集まってくださり、ランタンは完売となりました。「参加しやすい仕組みをつくれば、来たいと思っている人は必ずいる」ということを、この数字が力強く証明してくれました。
新しい気づき:「車椅子や寝たきりの人ほど景色をきれいに見れる」
この夜、私たちは大きな発見をしました。
車椅子を利用されている方や、寝たきりに近い状態の方ほど、空に舞い上がるランタンの景色を誰よりもきれいに見ることができたのです。視線が自然と空に向く姿勢だからこそ、夜空いっぱいに広がるランタンの光を、最も美しい角度で受け取ることができる。
「バリアフリー」とは段差をなくすことだけではありません。時に、これまで「不利」とされていた状況が、最も美しい景色への特等席になることがある。そのことを、この夜のランタンが静かに教えてくれました。新しい気付きを与えてもらいました。
200回以上のイベントで一番大変、でも「プライスレス」
正直に告白します。これまで200回以上イベントをやっておりますが、今回が一番大変で、一番持ち出しの多いイベントでした(笑)。
天候への対応、ランタンの安全管理、多様な参加者への配慮、子どものフリマや商店街との連携調整。すべてがギリギリの綱渡りでした。資金面でも、労力面でも、過去最高レベルの負担でした。
それでも、雨上がりの夜空に浮かぶランタンの光と、それを見上げて目を輝かせる子どもたち、車椅子から空を見つめる方々、そして昼間は外に出られなかった人たちが同じ空間で静かに微笑んでいる景色を見たとき、すべての苦労が吹き飛びました。
プライスレスです(笑)。
夜の可能性を、これからも
「日中は出にくい」という方々への新しい入口として、夜イベントという可能性が見えてきました。昼のイベントが得意な人もいれば、夜の静けさが心地よい人もいます。
夜空に灯ったランタンのように、一人ひとりの心に小さな光が届く場所を、これからも地域の中につくり続けていきたいと思います。
Date:2025.10.25 Client:自社企画 Role:デザイン・イベント企画・実装