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叶え合う支援事業vol.4ミンナの連敬ミーティング

  

叶え合う支援事業 vol.4

ミンナの連敬ミーティング ― 「困りごとだけに目を向けない」という支援の本質

叶え合う支援とは?

個人や組織・団体、コミュニティなどがつながり合い、地域全体で支え合う関係性をみんなでつくっていくためのプロジェクトです。『する・される』という一方的な関係性ではなく、お互いの願いや想いを「叶え合う」ような、対話的で創造的なプラットフォームづくりを目指しています。


第四回目にして最終回:すべての「ミンナ」に開かれた場

専門職同士の「フクシの連敬」、企業との「キギョウの連敬」、地域実践者との「チイキの連敬」と積み重ねてきたシリーズの集大成として、第四回目は**「ミンナの連敬ミーティング」**と題して開催しました。

これまでの1〜3回の参加者に加え、+αの誰でも参加OKの会として、専門職も、企業の方も、地域住民も、初めて参加する方も、すべての「ミンナ」に門戸を開いた場となりました。


菱沼教授と体験する「重層」の世界:SOSゲームで実感する支援の組み立て

最終回では菱沼教授をお招きし、重層的支援体制整備事業についての分かりやすい説明(インプット)と、**「実際あなたならどうする?」**という実践的な体験(アウトプット)の両方を行いました。

特に印象的だったのが、フォーマルとインフォーマルを駆使して支援するSOSゲームです。具体的な支援場面を想定し、制度や専門機関(フォーマル)と地域のつながりや家族・友人(インフォーマル)の両方を組み合わせて、どのように支援を組み立てていくかをグループで考えました。

**専門職ではない人にも「福祉に関わる事とは?」「そもそも支援って?」**ということが、ゲーム形式を通じてわかりやすく伝わったのではないでしょうか。頭で理解するだけでなく、体感として「支援は特別な人だけの仕事じゃない」という感覚を持ち帰っていただけたと思います。


最も印象的だった言葉:「困りごとだけに目を向けない」

菱沼教授からは支援に関する多くの考え方を伝えていただきましたが、**個人的に一番印象的だったのは「困りごとだけに目を向けない」**という言葉でした。

支援の現場では、どうしても目の前の「困っている状態」をどう解決するかという視点に集中しがちです。しかし、本当に大切なのは、その表面的な状態だけでなく、もっと深いところを見ることです。

  • 本質的に何に困っているのか?
  • どのようなことを欲しているのか?
  • 原因は何なのか?
  • その人の強みや得意、興味関心はなんなのか?

例えば貧困で困っている人がいたとき:

  • その人が原因で貧困なのか?
  • 周りの要因は何なのか?
  • 貧困に至らしめる要因は何なのか?
  • その人の強みや得意、興味関心はなんなのか?

これらを考えたり、対話したりすることが重要だという菱沼教授の言葉は、支援の本質を突いていました。目の前の「困りごと」という影だけでなく、その人が持っている「光」の部分も含めて全体を捉える視点の大切さを教えられました。


「信号を増やす」のではなく「交通ルールをみんなで広める」

この考え方は、地域福祉や重層的支援のあり方そのものにも通じます。

交通事故が多い国=信号を多く設置すれば良いではなく、『交通ルールやマナーをみんなに、みんなで広めていく』

福祉とか重層ってこんな感じなのかなと思います。制度や専門機関という「信号」を増やすことも大切ですが、それだけでは根本的な解決にはなりません。本当に必要なのは、地域に暮らすみんなが「お互いを気にかける」「困った時は声をかけ合う」という文化やマナーを育てていくことです。

**多様な人がいるように、多様な支援を【みんな】で進めていく。**特定の専門職だけが支援を担うのではなく、それぞれの立場でできることを持ち寄りながら、地域全体で支え合う関係性をつくっていく。それが「叶え合う支援」の目指す景色です。


vol.1〜vol.4で積み重ねた「連敬」の軌跡

シリーズ全体を振り返ると、それぞれの回で異なる立場の人々が「連敬」の意味を深めてきました。

  • vol.1 フクシの連敬: 専門職同士が業種を超えてお互いの視点を尊重し合う
  • vol.2 キギョウの連敬: 企業が生業の延長線上で福祉とつながる可能性を探る
  • vol.3 チイキの連敬: 制度の狭間を動かす信念と、熱量を分散させる仕組みを考える
  • vol.4 ミンナの連敬: 専門職もそうでない人も、みんなで支援の本質を体感する

この四回の積み重ねを通じて、「連敬」という言葉が少しずつ草加のまちに根を張り始めていることを実感しています。


これからの「叶え合う支援」へ:多様な支援を【みんな】で

四回のミーティングで生まれた対話と気づきは、これで終わりではありません。ここからが本当のスタートです。

困りごとだけに目を向けない支援、一人で抱え込まない重層的な関わり、制度と地域のあいだをつなぐ多様なプレイヤー。これらを「ミンナ」で育てていくために、叶え合う支援事業は今後も続いていきます。

「連敬」を合言葉に、福祉専門職も、企業も、地域住民も、それぞれの立場でできることを持ち寄りながら、草加のまちで「叶え合う支援」の文化を育てていきたいと思います。

多様な人がいるように、多様な支援を【みんな】で進めていこう。

Date:2026.02.27 Client:福祉政策課 Role:デザイン・企画運営

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