福祉プラスのまちづくり事業vol.2映画祭

福祉プラスのまちづくり事業 vol.2
『ふくフク映画祭』― 声をあげても、走り回っても、みんな一緒に楽しい景色を
「映画館って、静かに座って見るものだよね?」
そんな「当たり前」を、そっと手放してみたら、どんな新しい景色が広がるのでしょうか。
福祉プラスのまちづくり事業の第二回目は、その「当たり前」に優しく問いかける映画祭でした。その名も**『ふくフク映画祭』**。「声をあげてしまうから映画に参加できない」「じっとしていられないから映画館には行けない」そんな想いを抱いていた方々にも、思いっきり映画を楽しんでいただける場所を目指しました。
ここでは、どんな「あなた」でも大丈夫
この映画祭には、とってもシンプルで特別なルールがあります。
途中で出入りしても、オッケー! 声をあげても、大丈夫! 走り回っても、大丈夫!
「静かにしなきゃ」「迷惑をかけちゃいけない」そんな緊張感を手放して、ただただ映画の世界に飛び込んでほしい。障がいのある方も、小さなお子様連れのご家族も、誰もが「自分らしいペース」で映画に参加できる空間を作りました。
座って静かに見ることが「正しい映画の楽しみ方」ではなく、声を出しながら、動き回りながら、手を動かしながら楽しむことも、同じくらい「正しい楽しみ方」である。その多様さを丸ごと認め合える映画祭でした。
「楽しい」がいっぱいの体験空間
ふくフク映画祭では、映画を観るだけではなく、五感を使って楽しめる様々な仕掛けを用意しました。
映画を音声案内で「聴く」体験: 視覚に障がいのある方はもちろん、目を閉じて音の表現だけで映画の世界を想像するという、新しい鑑賞の形を体験できます。
電動車椅子の後ろに「乗れる」体験: 普段は見る側だったものが体験できる側に変わる瞬間。子どもたちにとってもアトラクションのようなワクワクする時間です。
木や革で遊べるワークショップ: 映画を見ながら、手を動かしながら、自分のペースで楽しめる自然素材との触れ合い。
どれも「参加のハードルを下げる」ための工夫というより、**「楽しみ方の選択肢を増やす」**という発想から生まれたものです。
『楽しい』と『面白い』を基点にした福祉のカタチ
福祉プラスのまちづくり事業で私たちが大切にしているのは、「不便を解消する」ことの先にある景色です。福祉の本来の意味である「幸せ」をより感じていただくために、『楽しい』や『面白い』を基点にした取り組みを意識的にプラスしています。
「福祉だから真面目に学ぼう」「支援について考えよう」と意気込まなくていい。ただ「楽しかったな」「また来たいな」「あの人、また会えるかな」という気持ちが積み重なっていく先に、自然と「だれもが幸せな地域」の景色が広がっていく。
「楽しかった」「面白かった」。その感情こそが、人と人をつなぐ最強の入口である。
そんな信念から生まれたのが、ふくフク映画祭でした。
「ふくフク」という名前に込めた想い
「ふくフク」は、**「ふくらむフクシ研究所(略して、ふくフク研)」**から生まれました。
ふくフク研は、トークイベントや映画祭、お店ごっこなど、地域での様々な実験を重ねながら、「福」祉の世界に新しい価値を「膨」らませ、また「含」ませていくための研究・活動を行っています。
「福」 ― 福祉の本来の意味である「幸せ」を、もっと日常の中で感じられるものに
「膨」 ― 制度や支援という枠を超えて、福祉の可能性をふくらませていく
「含」 ― 地域の暮らしの中に、自然に福祉の温かさを染み込ませていく
「ふくフク映画祭」は、そんなふくフク研の想いを体現した取り組みの一つです。福祉を「真面目に学ぶもの」としてではなく、楽しくて、面白くて、気づいたら新しい福祉のカタチに触れている場として企画されました。
『みんなで創る「だれもが幸せな」あしたの暮らし』への一歩
ふくフク映画祭は、福祉プラスのまちづくり事業が目指す『みんなで創る「だれもが幸せな」あしたの暮らしと福祉のカタチ』への大切な一歩でした。
障がいのある方も、障がいのない方も、地域で一緒に暮らすみんなが「より幸せを感じ、豊かに生活できる」景色。それは、難しい制度や仕組みを学ぶことから始まるのではなく、同じ場所で笑い合い、「一緒にいられる」ことを味わうことから始まるのかもしれません。
これからも地域の皆様と一緒に、「楽しい」「面白い」を入口とした新しい福祉のカタチを探し続けていきます。
難しく考えすぎず、でも大切なことを忘れずに。ゆるくやりながら、着実に、だれもが幸せな景色へ。
次はどんな「ふくフク」な景色が待っているのか、ぜひお楽しみに。
Date:2023.12.03 Client:草加市障がい福祉課 Role:デザイン&ワークショップ