ミーツザご近所2025inふれあいの里

ミーツザご近所 2025 in ふれあいの里
「地域共生?それって食べられますか?」― ゆるやかに誰かとつながりながら生きていく暮らし方を、一緒に考えた一日
「地域共生社会」って、結局どんな感じなんでしょうね?
今のこの時代に、ゆるやかに他人とつながっていくとは?どんな暮らし方があるのでしょうか。「地域共生」「多様性」「インクルーシブ」という言葉をよく耳にするけれど、仕事や家庭、日々の生活で手一杯な中で、自分とは異なる誰かと共に生きることを具体的にイメージするのは、なかなか難しいことかもしれません。
草加市高年者福祉センター「ふれあいの里」で開催されたこの日は、そんな素朴な疑問をスタート地点として、地域のプレイヤーたちの話を聞きつつ、参加者と一緒にセッションしながら、「地域のいろんな人が大家族のようにゆるやかに関わりながら暮らす」景色について考える時間となりました。
ふくフク研が目指す、地域に溶け込む対話の場
この企画は、「ふくらむフクシ研究所(略して、ふくフク研)」の活動の一環として実施されました。ふくフク研は、埼玉県草加市発のプロジェクトとして、トークイベントや映画祭、お店ごっこなど地域での様々な実験を重ねながら、「福」祉の世界に新しい価値を「膨」らませ、また地域の暮らしの中に自然に「含」ませていくための研究・活動を行っています。
「福」 ― 福祉の本来の意味である「幸せ」を、もっと日常の中で感じられるものに
「膨」 ― 制度や支援という枠を超えて、福祉の可能性をふくらませていく
「含」 ― 地域の暮らしの中に、自然に福祉の温かさを染み込ませていく
支援する側とされる側、障がいのある人とない人といった境界線を越えて、多様な人々が「ともに生きる」ことを実践していく。今回の「ミーツザご近所」も、まさにその理念を体現する対話の場となりました。
地域の実践者たちのリアルな声が交差したトークセッション
第1部のトークセッションでは、草加市内で実際に地域と関わり続けている実践者の皆さんが、それぞれの現場から生きた言葉を届けてくれました。
**関根 共子さん(NPO法人believe・保育士・臨床発達心理士・社会福祉士)**は、大学卒業後、横浜市の社会福祉法人への勤務を経て草加市へ。子育て支援・就労支援・共同生活援助・フードパントリーなど多岐にわたる活動の中で、「つながりがたえない支援」を30年間実践し続けてきた方です。最近は学校の地域回帰の支援者支援として、多様な子どもの育ちを支えることにも取り組まれています。
**丸野 典子さん(ボランティア草加連絡協議会 副会長)**は、地域への貢献を25年以上続けてきたボランティア活動のパイオニア的存在です。草加4校の図書整備や、毎年の食事への募金も24回目を迎えるなど、「みんなの食堂」を支える地域のボランティア精神あふれるパワーのもと、元気に楽しく活動を続けられています。
**菊池 陸人さん(民生委員・児童委員)**は、市内最年少・県内でも2番目に若い民生委員・児童委員として活動する傍ら、谷塚西部地区の民生委員として3年が経ち、まちのパトロール活動や「ふれあい食堂」に参加する人への声かけなど、地域の困りごとに丁寧に寄り添い続けています。
全国事例とパネルディスカッション、そして参加者同士の対話
地域の実践者クロストークに続き、全国の実践事例の共有とパネルディスカッションが行われました。草加だけでなく、各地でどのような「地域共生の景色」が生まれているのかを共有することで、**「うちのまちでもできそう」「あの取り組みのエッセンスを取り入れてみたい」**という具体的なヒントが生まれていきました。
第2部の意見交換&ワークショップ(入退室自由)では、第1部で聞いた話を受け止めながら、参加者同士がフラットに語り合う時間となりました。「地域のことは気になるけど、何から始めたらいいの?」「近所に気軽に話せる人が欲しい」「共生や福祉に興味がある」。そんな様々な想いを持った参加者が、専門家と市民という垣根を超えて、同じテーブルを囲んで話し合いました。
地域には「眠っている資源」がたくさんある
この日の対話を通じて改めて感じたのは、地域には色々な資源(人や物や場所)が眠っているということです。そして、何かのきっかけでそれらがうまくつながり始めると、不思議と循環し始めます。
- すでに活動している人の経験や知識
- 空いている時間や場所
- 「何かしたいけど、何から始めれば…」というモヤモヤした想い
- 近所の人への関心や気づかい
こうした一つひとつの要素が、組み合わさることで新しい動きを生み出していきます。
特別な誰かではなく、「単純なこと」から始まる循環
そして重要なのは、そのきっかけは決して「特別な人」が起こす「特別な事」ではないということです。
- 近所の人にちょっと挨拶をしてみる
- ちょっとした困りごとを共有してみる
- 「一緒にやってみない?」と声をかけてみる
- 気になっていた地域の集まりに顔を出してみる
- 自分の得意なことを、誰かのために少しだけ使ってみる
そんな本当に**【単純なこと】**から始まることがほとんどなのです。難しく考えすぎず、自分のペースで、できる範囲で動いてみる。その小さな一歩が、結果として地域の資源を掘り起こし、人と人とをゆるやかにつなぐ大きな循環を生み出していきます。
これからも、たくさんの「きっかけ」をつくり続けたい
「地域のことには興味があるけれど、何から始めたらいいかわからない」。そんな思いを抱えている方は、きっとたくさんいらっしゃるはずです。
私たちはそんな【単純な事】のきっかけを、これからも地域の中にたくさんつくっていけたらと思っています。「ミーツザご近所」で生まれた対話と気づきが、参加された皆様の日常に持ち帰られ、それぞれの「ご近所」での小さな一歩につながっていけば、これほど嬉しいことはありません。
「地域のいろんな人が大家族のようにゆるやかに関わりながら暮らす」という景色は、遠い理想ではなく、小さな一歩の先にある、手の届く日常なのかもしれません。
Date:2025.07.13 Client:福祉政策課 Role:デザイン・資源カードファシリ