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おばけ屋しきを作ってみよう2024

おばけ屋しきを作ってみよう 2024

色んな「みんな」が混ざる場所をつくったら、1,053人が集まった話

「色んな【みんな】が混ざる場所って、意外と少ないよね。」

そんな日常の中での気づきから、この企画は始まりました。そして、もう一つのシンプルな発見が背中を押しました。

「草加って、お化け屋敷ないよな。じゃあ、一緒にやったらおもろいんじゃないか?」

実は、この企画にはもう一つの個人的な動機がありました。自分の子どもが「貞子をやる場所が欲しい」と言っていたことです(笑)。そんな家族の小さなリクエストと、地域への想いが重なって生まれたのが、この前代未聞の自主企画でした。


地域の力を結集した、手作りの大プロジェクト

この突拍子もないアイデアに共感し、強力なパートナーとなってくれたのが草加市子ども会育成者連絡協議会ミラトンの皆様でした。予算面では草加市ふるさと創造まちづくり基金からの助成を受けることができ、地域の多様な主体が連携する枠組みが完成しました。

しかし、このお化け屋敷の本当の主役は大人たちではありません。運営スタッフとして参加してくれたのは、40人以上の子どもたちでした。彼らは「来る側」ではなく「つくる側・運営する側」として、企画の中心を担いました。

どうすればお客さんを怖がらせることができるか、どうすれば楽しんでもらえるかを一生懸命に考え、試行錯誤しながら手作りのお化け屋敷を創り上げていく過程は、どんな授業よりも生きた学びの場となりました。


想像を超えた大成功:1,053名の来場者

迎えた当日、結果は私たちの想像を遥かに超えるものとなりました。

来場者数:1,053名

地域の子どもから大人まで、実に多くの方々が同じ時間を楽しく共有することができました。子どもたちの一生懸命なお化けの演技(もちろん、渾身の貞子も大活躍!)に、本気で驚き、叫び、そして最後は笑い合う声が会場中に響き渡りました。


人生初のお化け屋敷:車椅子ユーザーの方の体験

大盛況という数字以上に私たちが嬉しかったのは、当初の目的であった**「色んな【みんな】が混ざる場所」**が、そこには確かに存在していたということです。

特に印象的だったのは、車椅子を利用されている方が**「お化け屋敷に入るのは、人生で初めてです」**と、とびきりの笑顔で楽しんで帰って行かれたことでした。

「お化け屋敷って、自分には関係ない場所だと思っていた」という方が、この日初めてその扉をくぐることができた。暗闇や狭い通路など、一見するとバリアが多くなりがちなお化け屋敷という空間でも、少しの工夫と周囲の自然なサポートがあれば、誰もが一緒にドキドキやワクワクを共有できるということを実証できました。


「やってもらう」から「やってみる」へ:子どもたちの成長

40人以上の子どもたちが運営側として参加したことで、彼らにとっても貴重な体験となりました。お化けを演じること、来場者を驚かせること、場を盛り上げること。子どもたちが主体的に動き、創意工夫しながら一つのイベントを作り上げる体験は、「やってもらう」から「やってみる」への大きな転換でした。

この感覚の転換が、子どもたちの中に小さくても確かな自信として残っていくと信じています。


「楽しい」という感情の平等性

福祉の文脈で「インクルーシブな場をつくろう」と声高に叫ぶのではなく、ただ**「怖くて、楽しくて、みんながワクワクするもの」**を入口にしました。

障がいのある方もない方も、子どもも大人も、地域の人も初めて来た人も。「お化け屋敷に行きたい」というシンプルな気持ちだけで、同じ場所に集まれる。そこに、難しい説明も、特別な配慮の案内も必要ありません。

**「楽しい」という感情は、どんな人にも平等に訪れる。**その当たり前のことを、お化け屋敷という形で体現した一日でした。


「おもろそう」から始まる、地域の新しい景色

この企画は、制度に基づく福祉事業でも、支援のプログラムでもありません。ただ純粋に、**「草加のまちで、色んなみんなが一緒に楽しめる場所をつくりたい」**という気持ちから生まれた自主企画です。

でも結果として、車椅子ユーザーが初めてお化け屋敷を楽しめる場所になり、子どもたちが地域の運営者として活躍する場所になり、1,053人が同じ時間を笑い合える場所になりました。

**「おもろそう」という直感と、個人的な小さなきっかけが、地域の新しい景色をつくることがある。**そのことを、この一日が改めて教えてくれました。


 

Date:2024.08.25 Client:自社企画 Role:デザイン・場づくり・イベント運営

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