ミーツザご近所vol.2

ミーツザご近所 vol.2
「ふれあいの里をまちの”センター”に」― かかわりしろを生み出す舞台づくり
地域の良い施設ってなんでしょうか?
箱がきれいでおしゃれなこと?関わる人が多いこと?熱量がある人がいること?きっと色んな要素があると思います。もちろんハード(箱)も大事ですが、一番大事なものはソフト(人や熱量)なんじゃないかと思います。
老朽化、少子高齢化に伴うニーズの多様化など、さまざまな理由で全国的にあり方の是非が問われる公共施設。これまで育まれてきた地域住民同士の関係性や施設のカルチャーを大切にしながら、時代や地域に合わせた「再編」をどう進めていくか。そんな問いを抱えながら開催されたのが、この「ミーツザご近所 vol.2」でした。
ふくフク研の理念が息づく対話の場
この企画は、「ふくらむフクシ研究所(略して、ふくフク研)」の活動の一環として実施されました。ふくフク研は、埼玉県草加市発のプロジェクトとして、トークイベントや映画祭、お店ごっこなど地域での様々な実験を重ねながら、「福」祉の世界に新しい価値を「膨」らませ、また地域の暮らしの中に自然に「含」ませていくための研究・活動を行っています。
「福」 ― 福祉の本来の意味である「幸せ」を、もっと日常の中で感じられるものに
「膨」 ― 制度や支援という枠を超えて、福祉の可能性をふくらませていく
「含」 ― 地域の暮らしの中に、自然に福祉の温かさを染み込ませていく
元スーパーを「地域のセンター」に変えた実践者の話
今回の話題提供者として、社会福祉法人愛川舜寿会 理事長の馬場拓也さんをお招きしました。馬場さんの施設は、ハードもソフトも兼ね備えた施設運営の素晴らしい実践例です。
馬場さんが手がけた施設は、もともとスーパーだった場所を多機能型複合施設に変換したものです。高齢・障がい事業所、コロッケ販売、コインランドリーなど、地域の日常に溶け込む機能を一つの場所に集め、誰もが自然に足を運べる地域に開けた場所として生まれ変わらせました。
福祉サービスを利用する人も、お買い物に来る人も、洗濯に来る人も、同じ空間で時間を過ごす。そんな自然な交流が生まれる場所づくりの実践を、具体的なエピソードとともに共有していただきました。
第1部:春日台センターセンターの実践から学ぶ
13:00 オープニングから始まった第1部では、馬場さんによる話題提供を中心に進行しました。
13:15 馬場さん話題提供では、元スーパーという地域に根ざした場所を、どのように福祉機能と地域の日常機能を併せ持つ「センター」へと変換していったのか、その具体的なプロセスと工夫について詳しく伺いました。
14:15 感想共有・質疑応答の時間では、参加者から活発な質問や意見が飛び交いました。「うちの地域でも同じような課題がある」「民間の発想を公共施設にどう取り入れるか」など、それぞれの現場での悩みや可能性について、馬場さんと参加者が双方向で語り合う貴重な時間となりました。
第2部:ふれあいの里の今後を考えるワークショップ
15:30からの第2部は、第1部での学びを受け止めながら、会場となった「ふれあいの里」の今後について参加者みんなで考えるワークショップでした。
- 「ふれあいの里でこんなことをやってみたい」
- 「地域の人と一緒に、こんな場を作れたら」
- 「自分には何ができるだろう」
参加者それぞれが持つ想いや得意なことを持ち寄りながら、ふれあいの里という場所の可能性を一緒に描いていく時間となりました。地域の方・福祉関係者・行政職員など、立場の違う人たちが同じテーブルで「かかわりしろ」について語り合いました。
ハードルはある。でも、だからこそ一緒に。
地域の人たちと一緒に場所を創りあげていくには、まだまだ超えなければいけないハードルがたくさんあります。施設の運営方針、予算や制度の制約、そして何より、これまでとは違う関わり方への不安や戸惑いもあるでしょう。
でも、馬場さんの実践が示しているように、「人が集まりたくなる場所」は、時間をかけて丁寧に育てることができるということも確かです。
元スーパーが地域のセンターになれるなら、高年者福祉センターが地域のみんなの「センター」になれないはずがありません。一度のイベントですべてが変わるわけではありませんが、こうした対話を重ねることで、少しずつ「かかわりしろ」が増え、多くの人にとって足を運びやすい拠点になっていくと考えています。
これからのふれあいの里に、ぜひご注目してください。
Date:2025.11.30 Client:福祉政策課 Role:デザイン・企画運営